2016年の熊本地震から4年を迎えたが、熊本県南部の活断層はなお高いリスクを抱えたままで、考えられていたより実際は活動の頻度が高いこともわかってきた。研究者たちが「近いうちに再び大きな地震が起こりうる」と警鐘を鳴らすなか、断層そばの地域では、新型コロナウイルスに対応しながら地震への備えを始めている。
熊本県では、熊本地震の前から大地震が起こりうると言われていた。その理由が、益城町から八代海南部まで約80キロにわたって延びる「日奈久(ひなぐ)断層帯」。政府の地震調査委員会による13年の長期評価では、30年間の発生確率が陸域で最大6%とされ、全国でも危険性が高い活断層の一つだった。
だが、実際に熊本地震で動いたのは、県中央部を東西に横切る隣の「布田川(ふたがわ)断層帯」の布田川区間など。日奈久断層帯は、隣接する北端の高野―白旗区間が動いただけだった。
動かなかった日奈久断層帯の危険性は――。地震後に九州大や熊本大、産業技術総合研究所(茨城県つくば市)などが調査した結果によると、断層帯全体では2千~3千年に1回の頻度で地震を起こしていたことがわかってきた。
特に北端の区間の活動周期は不…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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