厚生労働省が公式サイトで精神疾患について説明するページで、性同一性障害について「病気」と記載されていたことに抗議が殺到し、同省は該当のページの更新作業を行なっている。 サイトでは、性同一性障害について「どのような病気であるのか、その症状や治療法、法的側面等について解説します」と記されていた。
厚労省、性同一性障害を「病気」と表現
厚生労働省の公式サイト『知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス』では、性同一性障害を以下のように紹介している。 —-
女性なのに、自分は「本当は男なんだ、男として生きるのがふさわしい」と考えたり、男性なのに「本当は女として生きるべきだ」と確信する現象を「性同一性障害」と呼びます。 このような性別の不一致感から悩んだり、落ち込んだり、気持ちが不安定になることもあります。 性同一性障害については、まだ理解が進んでいるとはいえず、診断や治療ができる病院も多くはありません。 そこで、性同一性障害とはどのような病気であるのか、その症状や治療法、法的側面等について解説します。
—- 特に抗議が殺到したのは、最後部の「性同一性障害とはどのような病気であるのか」という記述だ。 これに対し、ネット上では「病気と扱われていたのは昔のことでしょう。抗議させて頂きました」「もし深刻に悩んでいる当事者がこの記述を見たら、崖から突き落とされそうな気分になる」「適切な説明になっていない。厚労省の理解が進んでいないことが分かった」「病気と分類することで差別を煽る」などと批判が相次いだ。 厚生労働省はこれを受け、性同一性障害に関する説明文言をサイト上から削除した上で一旦「改修中」とし、その後は更新作業を行なっている。 ハフポスト日本版の取材に対し、厚労省の担当者は「ご意見やご指摘を重く受け止め、説明文を削除しました」と回答した。 世界保健機関(WHO)は2019年、「国際疾病分類」で性同一性障害を精神疾患の分類から外すことを決めていた。 「精神障害」の分類から除外しても、当事者が望めば生殖能力をなくす手術などの医療行為を受ける権利は保障されるべきだとした。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース