厚労省が次期介護報酬改定の基本視点示す 感染症や災害対策など5項目(福祉新聞)

 厚生労働省は2021年度介護報酬改定の基本的な視点の案を、9日の社会保障審議会介護給付費分科会に示した。感染症や災害が発生してもサービスが安定的に継続的に提供される体制づくりなど5項目を挙げた。  分科会で3月から行ってきた議論や事業者団体ヒアリングを整理したもの。これらを改定の柱とし、各サービスの基本報酬や加算、運営基準などに落とし込んでいく。  感染症や災害への対応は、発生時に備えた取り組みや発生時でもサービスを継続する取り組みを強化する。  地域包括ケアシステムの推進では、団塊世代が後期高齢者となる25年と、高齢化のピークを迎える40年見据え、切れ目なくサービスを提供できる体制を目指す。具体的には在宅サービスの強化、医療と介護の連携、看み取とりや認知症への対応、都市・中山間地におけるサービスの確保などを挙げた。  高齢者の自立支援・重度化防止も視点の一つ。サービスの質の評価、各種データの収集・活用とPDCA(計画→実行→評価→改善)サイクルを通じた科学的介護の推進、機能訓練・口腔・栄養の強化に取り組む。  介護人材の確保は重要な視点と位置付けた。処遇改善や職場環境の改善のほか、ロボット・ICT(情報通信技術)の活用や運営基準の緩和を通じた業務効率化、文書負担の軽減などを盛り込んだ。  制度発足20年で介護費用が膨らむ中、制度の持続可能性の確保も大事な視点で、サービスの適正化・重点化、報酬体系の簡素化が必要だとした。  視点の案について委員から賛同する意見が多く出た一方、「経営の大規模化も記載してほしい」「地域共生社会づくりの視点も入れるべき」といった注文もあった。  厚労省はこれらの意見などを踏まえて議論を詰め、年内にまとめる報告書に盛り込む。なお、同日はサービスごとの議論も始まり、具体的な検討事項が示された。

Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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