原爆ドーム前で「爆心地鎮魂薪能」 被爆前の日常と文化に思いをはせ

 原爆ドーム広島市中区)前で15日夜、「爆心地鎮魂薪能」があった。原爆ドーム世界遺産登録から12月で25年を迎えるのに合わせ、この地域に息づいていた文化を知ってもらおうと、被爆前に近くに自宅があった住民らが初めて企画した。ひのき舞台が設けられ、2曲が上演された。

 ドームの前身、広島県産業奨励館は爆心地から北西約160メートルにあり、一帯は「猿楽町(さるがくちょう)」や「細工町(さいくまち)」と呼ばれていた。江戸時代能楽師や楽器の細工師らが多く住んだことに由来する。戦時中も日常的に謡曲や能のはやしが聞こえてくる城下町の風情漂う町だった。

 約400世帯が暮らしていた両町には、格子戸を備えた2階建ての家屋が軒を連ね、駄菓子店や釣具店、陶器店などが並んでいた。

 しかし、人々のそんな穏やか…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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