政府は昨年12月、原発の新規建設や運転期間の延長を認める基本方針案をとりまとめた。こうした「原発回帰」の方針が示された後、東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県の計45市町村長に朝日新聞が賛否を尋ねたところ、「どちらかといえば」を含め19人が反対、14人が賛成と回答した。福島県の首長は反対と無回答が大半を占めた。東京電力福島第一原発の事故から12年。この間、苦渋の選択や決断を迫られた福島の被災者の苦しみが反映された結果であることが、取材からはみえてくる。
アンケートは昨年12月末、3県の沿岸部の37市町村、沿岸部以外では原発事故で避難指示が出た福島県内の5市町村、東北電力女川原発から30キロ圏内に位置する宮城県内の3市町の首長を対象にウェブで質問。原発回帰への賛否などを選択式で回答する設問のほか、政府が原発の新規建設として掲げた「建て替え」や運転期間延長への考えを自由記述で求め、2月中旬までに全首長から回答を得た。
原発回帰をめぐる岸田政権の国民への説明が十分かとの問いには、31人が「どちらかといえば思わない」「思わない」と回答。原発回帰には賛成しながら、説明が不十分との考えを示した首長も9人いた。(根津弥)
福島第一の立地自治体、すべてに賛否避ける
福島県では、対象の15首長…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル