東京電力福島第一原発事故の前、地元の福島県双葉町に掲げられていた「原子力明るい未来のエネルギー」の標語の看板が、県の「東日本大震災・原子力災害伝承館」(同町)に展示されることが決まった。事故後、原発推進の負の遺産として注目され、町が展示を求めていた。
看板はかつて、町の中心部の道路をまたぐように掲げられていた。事故後に老朽化のため解体され、90センチ四方の文字パネルが県立博物館(同県会津若松市)に保管されていた。町が看板の伝承館への設置を要望し、展示物の選定に向けた委員会でも有識者から展示すべきだとの声が上がっていた。
伝承館は昨年9月20日に開館したが、看板は全長16メートルという大きさを理由に、写真の展示にとどまっていた。県は展示方法を検討し、実物の文字パネルを新たにつくる土台に設置することを決めた。公開時期は未定。
小学6年の時にこの標語を考案した同町の自営業大沼勇治さん(44)=茨城県古河市に避難中=は「設置が決まったことは素直にうれしい」とする一方、「伝承館の展示は復興に重点が置かれているが、残すべきは失敗の反省と教訓だと思う。今回の設置をきっかけに展示全体の見直しを検討してほしい」と求めた。(小手川太朗、三浦英之)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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