電力会社などが原発の近くなどに設ける原子力のPR施設。2011年の東京電力福島第一原発事故の後は、全国的に利用者が減っているが、電気料金や税金で運営を支える構図はいまも続く。原子力への理解を深めるという本来の目的を離れ、公立診療所に転用された所もある。
4月6日、山口県上関町中心部に「町立海のまち診療所」がオープンした。3階建てで、延べ床面積は450平方メートル。1階に待合室、2階に内科の診察室、3階に更衣室などがある。近くには開いている個人医院が一つしかなく、医療体制の整備が急務だった町にとって待望の施設だった。
拡大する中国電力の原子力PR施設「海来館」は、4月から「町立海のまち診療所」にリニューアルした=山口県上関町
ただ、この建物は最近まで全く別の使われ方をしていた。中国電力の原子力PR施設「海来(みらい)館」。町内に上関原発の建設を計画する同社が、原発の必要性などをアピールしようと1999年度に設けた。入館無料で、原子炉の模型や放射能の解説パネル、放射線量の測定器などを展示していた。
町には県から常勤医が派遣され…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル