乗ってきた地下鉄の駅を出たときだった。
怒号と悲鳴。治安部隊が群衆を捕らえていく。20歳前後の小柄な女性が、警棒で打たれていた。
ロシアが2月24日にウクライナ侵攻を始めて数日後のモスクワ市街。反戦を訴える市民らが、力ずくで排除されようとしていた。
駆け戻り、地下鉄に飛び乗った。涙があふれた。
現場に遭遇したロシア人女子学生が3月下旬、自身が特定されうる情報を報じない条件で取材に応じた。
軍事に関する報道が虚偽とみなされれば、最長15年の禁錮刑が科される法改正が3月になされた。国内外の多くのメディアが、戦争報道の停止を迫られた。
女子学生が遭遇したデモは「米国が仕組み、参加者は金をもらっていた」と国営メディアに報じられたという。フェイスブックやツイッターは遮断された。今はロシア発の「テレグラム」で欧米メディアの報道に接する。
戦争に抗議した市民らは続々と取り締まられた。ロシアの人権団体「OVDインフォ」によると、侵攻後これまでに1万5千人以上が拘束された。
ウクライナ侵攻を機に、ロシア国内では言論への抑圧が強まっています。翻って、日本ではどうでしょうか。自由にものが言える社会でしょうか。まずは、力によって口をふさがれた人たちの体験から考えます。
取材に応じた在日ロシア大使は
3月23日、マトリョーシカ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル