電力自由化を骨抜きにする違法行為か、それとも認定の誤りか。大手電力4社のカルテル事件で、公正取引委員会から27億円余りの課徴金納付などを命じられた九州電力が、処分取り消しを求めて東京地裁に提訴した。「合意はなかった」と徹底して法廷で争う構えだが、同時並行で「疑われたこと」は反省して再発防止を徹底するとも強調する。(江口悟)
電力大手が互いに相手の地域での顧客獲得を控えたとされるカルテル事件は、2016年の電力小売り全面自由化をきっかけに関西電力が中部電、中国電、九電に持ちかけて始まったとされる。公取委が認定した事実は次のようなものだ。
関電は17年11~12月ごろから、事業者向けの電力販売で3社の供給区域に安値攻勢で進出を図った。その際に「仁義切り」と称して経営層が訪問、方針を伝えた。いったんは競争が激化したが、関電は翌18年夏ごろから一転、利益確保で安値競争をやめる方向にかじを切る。
九電の供給区域では、関電は…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル