宮城刑務所で服役中の受刑者に便宜を図った見返りに現金を受け取ったとして、宮城県警は26日、同刑務所刑務官の藤田晋悟容疑者(31)=仙台市若林区古城2丁目=を収賄の疑いで、受刑者の桜井景三容疑者(58)ら3人を贈賄容疑で逮捕し、発表した。県警は認否を明らかにしていない。
ほかに逮捕したのは、桜井容疑者の弟で会社役員の桜井克巳(47)=東京都板橋区徳丸4丁目=と会社員の淡路泰雄(47)=同区東新町2丁目=の両容疑者。
捜査2課によると、藤田容疑者は2018年10月~19年2月、景三容疑者へ生活面や処遇で便宜を図った謝礼と認識しながら、克巳容疑者らを通じ、7回にわたって計138万円を受け取った疑いがある。
捜査関係者によると、藤田容疑者は容疑を認めており、所内で禁止されている飲食物を景三容疑者に提供したり、外部との連絡役になったりしていたとみられるという。
景三容疑者は、フリーライターを殺害したとして、殺人などの罪で懲役16年の判決を受け、服役していた。
記者会見した同刑務所の山添聖可総務部長は「職員が逮捕されたことは誠に遺憾。矯正行政に対する信頼を著しく損ねたことにつき、国民の皆様に深くおわびする」と謝罪した。
同刑務所によると、藤田容疑者が不正行為をしている疑いを把握し、本人に聞き取り調査をして県警に通報した。藤田容疑者は02年に採用され、看守として勤務。主に収容者の見回りや工場での作業の監視をしていた。勤務態度は真面目で、無断欠勤はなかったという。刑務所は「捜査に支障がある」として、調査の詳細や時期を明らかにしなかった。(窪小谷菜月)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル