羽賀和紀
高知刑務所(高知市)で、受刑者の罪名や共犯者の名前が、一部の受刑者に漏洩(ろうえい)する状態が1年にわたり続いていたことがわかった。刑務所内で図書の貸し出しを担当する受刑者に対し、借りた人などを管理するために渡していた受刑者の名簿に、こうした個人情報が載っていたという。漏れたのは計342人分としており、刑務所側は発覚時に出所していた人を除く約160人に謝罪したとしている。
高知刑務所によると、「図書工場」と呼ばれる図書室があり、受刑者4人が図書の貸し出しを担っていた。これを管理する刑務官が、誰が図書を借りたり返したりしたかをチェックさせるため、貸し出し担当の受刑者に、受刑者の名簿を渡していた。この名簿に、法務省矯正局の規則に反して、罪名や生年月日、共犯者の名前などが記入されていた。
こうした状態は昨年5月31日から続いていたが、今年5月12日、高知刑務所の幹部職員が気づいて発覚。刑務官は「見せていいものだと誤認していた」と釈明したという。
高知刑務所の石井弘幸所長は「個人情報の漏洩は遺憾。再発防止策を確実に実行し、被収容者の個人情報の管理を厳格に徹底する」とのコメントを出した。(羽賀和紀)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル