光墨祥吾 富永鈴香
知人の親族らが優先的に受診できるように便宜を図った見返りに現金を受け取ったなどとして、京都府警は28日、独立行政法人国立病院機構・京都医療センター(京都市伏見区)の外科科長の男性医師(54)=兵庫県西宮市=を収賄と国立病院機構法違反の疑いで書類送検した。また、知人の男性会社役員(73)=京都府城陽市=を贈賄の疑いで書類送検した。捜査関係者への取材でわかった。
捜査関係者によると、医師は昨年3月18日、会社役員の親族ら複数人が初診手続きなどで優遇されるよう働きかけたり、患者情報を漏洩(ろうえい)したりするなどの便宜を図った見返りに、会社役員から現金150万円を受け取った疑いがある。また、国立病院機構法違反の容疑は、昨年5月から8月までに患者の病状や治療状況などの情報を計7回、漏らしたというもの。
医師は会社役員の主治医で、2019年6月ごろに知り合ったという。本来は他の医療機関からの紹介などを受けて京都医療センターを受診するところ、医師が外科以外の診療科と直接交渉するなどし、紹介などを省いて受診させたという。府警は、他の患者の不利益になった恐れがあるとみている。情報を漏らされた患者は、会社役員が勤める会社の取引先の関係者だったという。
京都医療センターは「書類送検されたことが事実であれば、大変遺憾に思いますし深刻に受け止めております」などとするコメントを出した。
病院関係者によると、医師は「仕事に真面目で人柄も良く、トラブルは聞いたことがなかった」という。同センターの入院患者の家族は「お医者さんは治療に専念してもらわなあかん。(診療が)後回しにされていたらだいぶ問題」と話した。(光墨祥吾、富永鈴香)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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