歯科医・木村年秀さん
私は歯科医で、香川県のまんのう町国民健康保険造田(そうだ)歯科診療所の所長を務めています。丸岡三紗歯科衛生士らとともにご自宅や施設を訪問し、診療することもあります。今回からは丸岡の話を引き継いで、3回ほどお話をさせてください。
今回は、中川徳市(とくいち)さん(享年71)のケースをとりあげます。肺がんのほか、悪性リンパ腫などを患っていました。ご自宅は、当診療所と同じまんのう町にありました。家には、妻の紀子さん(71)とトイプードルのリンちゃんがいました。
元自動車会社の営業マンで、お話も上手でした。野球の四国アイランドリーグplus・香川オリーブガイナーズのファンでした。
2019年1月から関わり始め、20年3月から在宅で関わるようになりました。
がんに冒され体が弱ってくる徳市さんを見て、紀子さんが自宅での看取(みと)りを決意します。自宅で開かれた多職種が集まる担当者会議の当日、ケアマネジャーが「何か希望はありますか?」と尋ねたところ、「庭の畑が今どんな感じか見たい」とのことでした。すぐに看護師や福祉用具販売店のスタッフが協力して、車いすに乗せ、見ていただきました。
本人はとても喜んでいました…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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