職場を超えて若手職員が集い、まちおこしのアイデアを出し合う。そんな取り組みが京都府亀岡市で始まっている。まず手始めに注目したのは、古代から亀岡とふか~いつながりのある、あの動物だ。
まちおこしを考える若手の分科会は2020年、コロナ禍のさなかに立ち上がった。環境政策課の乾芽衣さん(34)は「歴史資源」をテーマにした分科会に所属。ある時は会議室で、またある時はオンラインで、部署が異なるメンバー10人ほどと議論を重ねた。普段は二酸化炭素削減に向けた計画立案を担当している。
亀岡を代表する歴史資源と言えば、明智光秀だ。市中心部には光秀が築城した丹波亀山城跡がある。「でも、大河ドラマ『麒麟(きりん)がくる』も終わって随分経つしなあ」
郷土の偉人には、江戸時代に商人の役割や庶民の倫理を説いた「石門心学」の開祖・石田梅岩もいるが、若年層にはピンと来ないかも。源平合戦で活躍した那須与一が立ち寄ったというお堂もあり、市民の手でミュージカルも上演されているけれど……。
「これ、意外といけるんちゃう?」
そんな時、美術好きの乾さんの頭にふと浮かんだのが、亀岡生まれの江戸時代の絵師、円山応挙。「足がない幽霊」を描いた元祖とも言われるが、もふもふの毛、まるまる太った子犬の絵をたくさん描いている。
「犬と暮らしやすいまち・亀岡」のキャッチコピーを思いついた。「これ、意外といけるんちゃう?」
リサーチが始まった。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル