古墳時代から続く「水のまつり」? 飛鳥京跡苑池で発見

【動画】飛鳥京跡苑池で「流水施設」見つかる 奈良県明日香村=田中祐也撮影

 国内初の本格的な宮廷庭園跡とされる奈良県明日香村の「飛鳥京跡苑池(えんち)」(国史跡・名勝)について、南北二つの人工池のうち北池から、全長約11・5メートルに及ぶ石組みの溝と石敷きの遺構がみつかった。県立橿原(かしはら)考古学研究所(橿考研)が8日発表した。7世紀後半にわき水を流す流水施設として造られたとみられ、古墳時代から続く「水のまつり」の宮廷儀式を行っていた可能性が高まった。観賞用とされる南池とは性格が異なり、最古の宮廷庭園の全体像が見えてきた。

 苑池は橿考研が1999年の調査で発見し、その後も調査を続けてきた。橿考研によれば、今年5月から北池の北東部を発掘調査し、南北約13メートル、東西約8・5メートルの範囲で40~70センチ大の石が丁寧に敷き詰められた遺構が出土した。石敷きの中央部には、二つの正方形の石組みの「枡(ます)」(1辺0・8~1・3メートル、深さ0・2~0・5メートル)と、東西方向の石組みの溝(幅0・8~0・3メートル)も出土。溝の底には漏水を防ぐため、れんが状の砂岩も敷かれていた。枡にたまったわき水が溝に流れ込む仕組みで、橿考研は、清浄な水を流すことに何らかの意味があったと分析する。

 木下正史・東京学芸大学名誉教…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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