島原通信員・松下英爾
島原半島の北東部を有明海沿いに走る島原鉄道の神代(こうじろ)駅(長崎県雲仙市国見町)で下車し、商店街を数分歩くと、白壁がくっきりと映える木造2階建ての古民家が見えてくる。
旧佐賀鍋島藩の飛び地・神代鍋島領に隣接する町場(まちば)だった一角に立つのは「趣蔵(しゅぞう) 神代ふれあい館」。延べ床面積は約432平方メートルで、明治期の建築と推測されている。もとは平成初期まで営んでいたという「神代鶴(かみよづる)」などの銘柄の造り酒屋だ。今年3月17日に「長崎県まちづくり景観資産」に登録された。
そんな歴史的建造物にもう一つ掲げられているのは「アマチュア無線機器歴史館」の真新しい看板。昨年5月にオープンしたという歴史館に入ると、1954年ごろからのアマチュア無線機100台以上がズラリと並ぶ。
アマチュア無線は、無線を通じて気軽に国内外の人とつながることができる。
館長は長崎市で無線機販売会社「ハムセンター長崎」を営む大久保晃宏(あきひろ)さん(80)。展示されているのは、大久保さんが長年収集してきたアマチュア無線機。希少なものもあり、アマチュア無線愛好家を中心に、遠くは関東や関西からも来館者がいる。
大久保さんは中学生の頃、ラジオとの出会いをきっかけにだんだんとアマチュア無線にはまっていった。社会人になってからも趣味として続けていたが、ついにはアマチュア無線機を取り扱う会社を設立した。「どこでも誰とでも交流ができ、居ながらにして世界を知ることができるのが魅力」と話す。
■昭和期の真空管式ラジオも…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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