江戸時代に宿場町として栄えた北九州市八幡西区の木屋瀬(こやのせ)地区。古い家が徐々に姿を消していく中、人の縁がつながって残される建物もある。4月に18年目を迎えたカフェ「のーてぃす」が入る古民家もそんな1軒だ。
のーてぃすを旧長崎街道沿いに開いた神保明美さん(65)が初めて木屋瀬を訪れたのは1995年。市内の生まれで小倉で陶器のギャラリーを開いていたが、「コヤノセ」は耳にしたこともなかった。足を運んだのは「あなたは絶対好きになると思う」と知人に勧められたからだ。
車の行き交う通りを折れて旧街道に入った瞬間、まるで「結界」をくぐったように空気が変わった気がした。知人の見立ては正しく、一目ぼれした。外から多くの人が訪れるような観光地ではなく、それだけに昔の風習や町割り、建物が残っていた。
何度も通ううち、築百年を超す…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル