■古舘氏の安倍政権、菅政権の評価は…
26日の『NewsBAR橋下』に出演したフリーアナウンサーの古舘伊知郎氏は、「安倍政権には森友・加計、桜を見る会といった悪い部分があったのに、その調査はしないというムードが菅政権にあるのは正直に言って、嫌だ。霞が関をいじるんなら、そこもやってほしいと思う。一方でデジタル化を進めようとか、携帯電話料金の値下げなどに具体的に着手していることについては評価している」とコメント。 また一部の世論調査で、辞任表明直後に“評価する”という意見が7割を超えた安倍政権については「確かに世界経済の追い風に乗り、金融緩和によって低かった株価が上がっていった。そこは認めざるを得ないし、やってくれたと評価する。でも実質賃金は下がっているし、暮らし向きが良くなったわけではない。格差も広がっていると僕は思っている。金融緩和をどうしていくのか、プライマリー・バランスの黒字化といった課題もある。でも現実的にはコロナの問題もあるよねと。いろんなことを考えちゃう」と話した。 すると橋下氏が「でも『報道ステーション』になると、そういうメッセージの出し方はできなくなっちゃうんですか」と、メディアと政治報道の問題について切り込んだ。
■橋下氏「政治を良くするにはメディアの質も良くならないと」
橋下:メディアの役割、番組の役割ということなのか、悪い部分ばかりをフィーチャーし、批判している。でも今の古舘さんの話を聴いていると、いい部分は評価した上で、“だけどこの部分は悪いよね”という言い方だった。 僕は民主国家の政治とメディアは車の両輪だから、政治を良くするにはメディアの質も良くならないといけない。そしてメディア同士で切磋琢磨しないといけないという思いもあるから、コメンテーターとして報道番組に出させてもらう時には、他番組のことも指摘させてもらう。 『報道ステーション』は日本の報道番組の中でも看板番組だと思っているからこそ、政治を批判するときには、今の古舘さんのようなスタンスで批判してほしい。 古舘:僕が『報道ステーション』を辞めてから4年半が経つわけだけど、こっちは認めるけどこっちは認めない、という風に明確に言えていないという印象があったなら、それは反省する。 正直に言えば、血気盛んだったし、「よし、今日はこっちをフィーチャーして、これを言おう”と思って臨んでいた。それが間違いだったと思いたくはないし、“両論併記”しているつもりっだったが、もっと評価している点についても強調すべきだった。 橋下:政治家って、みんなテレビのコメントなどを気にしている。僕だって政治家時代には自分に言及されたものは全て録画してもらって、夜中に観ていた。そして翌日の記者会見で「ああ言ってたけど、これはこうなんだ」と反論していた。 そういう中で、「これは良いよね」ということも言ってくれれば、「じゃあこっちは改めようか」ってなるんだけど、所詮は人間だから、悪いことばっかり指摘されると、もう「ふざけんな!こっちだって考えてんだ!」となってしまう(笑)。 『報道ステーション』に限らず、報道番組のスタッフたちには「政治を批判するのが役割なんだ」という強烈な自負があるから、どうしても批判する方向に行ってしまうんだと思う。でも、テレビというメディアは民意の動きにもすごく重要な役割を果たしているからこそ、「こういうことをやればいいんだよ、でも、こういうことはやめないといけないんだよ」いうような、ある意味で政治の進むべき道を提示してほしい。そうすれば政治家も動いていくと思う。それが批判ばっかりだから、「じゃあどうすればいいの」となって、分からなくなってしまう。 古舘:屁理屈に聞こえてしまうかもしれないけれど、少しだけ言わせてもらうと、「何いってんだ!こんなことばっかり言いやがって!」というのも、ある意味では”サプリメント”になっているとも思う。橋下徹の心にマッチで火を付ける役割。やっぱり「政治を刺激しないと、これからどうなっちゃうの?」と思っちゃうこともあったから。僕が血気盛んになっていた原因もそこにあるし、意図的に火をつけていたところもあった。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース