いつか国際的なサッカークラブに――。大仏で有名な古都鎌倉に、壮大な夢と情熱の詰まったスタジアムがある。澄んだ日は富士山が望める芝生の上で、子どもたちの笑顔がはじける。
日が暮れて、鮮やかな緑の人工芝が照明に照らされると、日本版の「フィールド・オブ・ドリームス」は一層、その存在感を際立たせる。
ケビン・コスナーがとうもろこし畑に野球場を造る主人公を演じた米国映画の脚本に負けない、サッカー版の夢物語の始まりは5年前にさかのぼる。
サッカー日本代表が出るワールドカップは必ず現地観戦してきた四方(よも)健太郎さん(42)はシンガポールを拠点に人材育成業を営む。「日本に国際的なサッカークラブを作りたい」。自身は横浜育ちだが、大仏や寺など日本らしさが外国にアピールでき、Jクラブがない古都鎌倉に白羽の矢を立てた。
グーグルの航空写真で空き地を発見、海外のサッカークラブの運営経験を持つ吉田健次さん(38)ら仲間と動き出した。サッカークラブ・鎌倉インターナショナルFCを立ち上げ、本拠を造る一大プロジェクト。「みんなで作ろう」を合言葉に、3万円で芝生の「1平方メートルスタジアムオーナー」になれるクラウドファンディングを募ると、目標の3千万円を突破、民設民営のグラウンドが完成した。鎌倉を代表する銘菓「鳩(はと)サブレー」を作る豊島屋が命名権を購入し、「みんなで」の精神はスタジアムの名称にも反映された。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル