台風上陸へ 駆け足Uターンで駅は混雑、関空は5年前の教訓生かす

【動画】関越自動車道のUターンラッシュ=平野真大撮影

 日本列島に接近した台風7号は14日、お盆の帰省客らの足を直撃した。東海道・山陽新幹線の一部区間で15日の計画運休が決まり、各地の主要駅は予定を前倒しして移動する人たちで混雑した。上陸が見込まれる15日を前に台風で過去に大きな被害が出た地域は警戒を強め、関西・東海地方を中心に商業施設の休業決定も相次いだ。

 新幹線は名古屋―新大阪駅間(東海道)と新大阪岡山駅間(山陽)で15日に終日運休することが発表され、東京駅の新幹線改札口付近では14日、午前中から早めのUターンをする人たちが行き交った。

 祖母と静岡市の実家に帰省していた都内の小学4年、山本悠貴さん(9)は14日夜の予定だった東京駅到着を早めた。「もっと川遊びがしたかったけど、台風で帰れなくなったら困るので仕方なかった」と名残惜しそうに話した。

 名古屋駅の窓口では切符を買い求める人で長い行列ができた。

 名古屋市のパート女性(48)は、15日から子ども3人と東京ディズニーリゾート千葉県浦安市)へ行く予定だったが、出発を14日に前倒しした。ホテルは確保できたというが「東京での雨が心配。ホテルに閉じこもるはめにならないか」と不安そうに話した。

 新大阪駅も朝から帰省客らで混雑した。大阪府八尾市の池永清華さん(46)は予定を1日早めて名古屋へ戻る長女(23)夫婦を見送った。「残念そうやったけど、16日から仕事があるから。3日間という短い帰省になっちゃったけど、家族でゆっくりお盆を過ごせました」と話した。

 JR博多駅は切符の払い戻しなどを受ける人たちで列ができていた。長崎県内で働く春口輝(ひかる)さん(22)は愛知県の実家に15日まで帰省する予定だったが、帰りを1日早めたという。春口さんは「本当はもう少しゆっくりしたかったが、こればかりは仕方がない。無事に九州に着けて良かった」と話していた。

 2018年9月の台風21号で大規模に浸水し、ターミナルが停電した関西空港は、ホームページで航空便や空港への交通機関に遅延や運休の可能性があることを伝え、利用者に情報収集を呼びかけた。

 関空は18年に台風被害があった後、護岸や防潮壁をかさ上げし、約4万個の消波ブロックを設置。万が一に備え、電源設備を地上に移し、大型の排水ポンプ車、移動電源車を導入した。広報担当者は「18年と同じ規模の台風が来ても浸水をほぼ防げる対策は取っている」と話す。

 18年の台風では強風にあおられたタンカーが衝突して連絡橋が通行できなくなり、約8千人が孤立した。海上保安庁は14日、付近を航行する船舶に向けて関空の周辺約5・5キロ以内にいかりをおろして停泊しないよう勧告を出した。

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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