台風避け長野へ「疎開」した記者 想定外の避難と油断

【動画】台風19号で氾濫した長野県の千曲川流域=14日、堀英二撮影

 大型台風が東京を直撃するというので、ちょうど連休だし「疎開」でもしようかと軽い気持ちで帰省した先の長野県で、想定外の避難を経験することになった。

 けたたましいアラームの音にたたき起こされたのは13日午前6時50分すぎ。慌てて手に取ったスマートフォンの画面には、実家の地名が名指しされ、「大至急避難を」と書いてある。上田市の真ん中を東から西へ流れる千曲(ちくま)川で「上田橋付近の堤防が崩れ始めている」という。市街地へ行く際にいつも渡っている、実家のすぐ近くにある橋だ。

 私は目を疑った。どうして今さら?

 前日の12日、確かに県内には大雨特別警報が出ていた。ふだんの台風と同じくらいかちょっと強めの風だなと感じていた午後7時ごろ、千曲川の水位が上がって避難指示が出たのを知った。電話してきた近所の人がいうには、周辺の避難所はすでにいっぱいらしい。川までは直線で約400メートル。ハザードマップによれば、上田城の対岸にある我が家は最大で3~5メートルの浸水に襲われる危険がある。

 いまから移動するのは危険だと判断し、実家の2階で嵐が過ぎるのを待とうと決めた。昼のあいだに買い置きしていた水やお茶、停電に備えて多めに作ったおかずやごはん、インスタント食品、長靴、着替え。当座に必要そうなものをすべて2階に上げ、パソコンを開いた。

 国土交通省が市内で観測してい…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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