台風10号、1人死亡47人けが 16日も風雨に注意

 大型の台風10号は15日、広島県呉市付近に上陸し、中国地方を縦断した。西日本では激しい雨が降り、各地で土砂災害警戒情報が発表されたほか、避難勧告・指示も出された。強い風が吹き、海に転落するなどして少なくとも1人が死亡、47人がけがをした。

 気象庁によると、台風10号は15日午後8時時点で松江市の北50キロの海上にあり、時速35キロで北へ。17日未明までに温帯低気圧に変わり、北海道付近に進む見込み。16日も西日本から東日本の太平洋側を中心に広範囲で非常に激しい雨が降り、西日本から北日本まで強風に注意が必要という。

 台風は大量の雨をもたらし、12日の降り始めから15日午後10時までの雨量は、高知県馬路村で815ミリ、奈良県上北山村で767ミリ。近畿、四国の7カ所で500ミリを超えた。風も強く、最大瞬間風速は高知県室戸市で41・9メートルを観測。香川県東かがわ市で32・8メートルなど中四国の3カ所で観測史上最高を記録した。

 死傷者も相次ぎ、広島県尾道市では15日、船を係留していた男性(82)が波にさらわれて海に転落し、水死。総務省消防庁の午後8時時点のまとめなどでは、三重県や岡山県、宮崎県などで風にあおられて転倒するなどして計47人が重軽傷を負った。

 交通の乱れも残り、JR西日本は16日も在来線の一部で始発から運行を取りやめる。空の便も16日は一部で欠航が続く見込み。徳島県つるぎ町の県道では最大約3メートルの落石があり、通行止めの状態が続く。


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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