東日本を中心に甚大な被害が出た台風19号で、和歌山県内でも堤防が損壊するなどの被害が確認された。農作物への影響は比較的軽微だった。和歌山県は15日、関西広域連合の取り決めに基づき、被災地の栃木県に支援の先遣隊を派遣した。今後、必要に応じて追加派遣も検討していく。
和歌山県のまとめによると、台風19号の高波の影響で、串本町の動鳴気(どめき)漁港などで堤防が破損。高波が打ち付けて建物のシャッターが壊れる被害も確認された。串本町の国道42号では約15メートルにわたり路面が陥没し、一時通行止めとなった。田辺市や那智勝浦町を中心に1800軒以上で一時停電が発生した。
農林漁業でも被害があった。県によると、被害額は13日時点の集計で約5500万円。うち農産物は約500万円で、大規模な被害が出た昨年よりは軽微だった。
県内有数の柿の産地・九度山町では柿農家、海堀篤さん(36)が「被害がなくてホッとしています。これから富有柿のシーズンを迎えるので、もう台風は来ないでほしい」と話していた。
ただ県には、これから収穫の最盛期を迎えるミカンなどで、現時点で被害額に算入されていない傷なども報告されており、担当者は「今後、販売価格の下落につながる懸念もある」と警戒している。
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和歌山県が15日、台風19号に被災した栃木県に派遣した先遣隊は職員3人。関西広域連合では大規模災害が発生した場合、加盟する府県が連携して現地支援にあたると定めており、府県ごとに派遣先を割りあてる「カウンターパート方式」に基づいて決定した。
和歌山県庁南別館では出発式があり、森田康友・危機管理監が「現地では甚大な被害が出ている。紀伊半島豪雨をはじめ、さまざまな災害で復旧復興に取り組んだ県の知見を生かし、使命を遂行していただきたい」と先遣隊を激励した。
隊長の片家康裕・防災企画課長補佐は、平成28年の熊本地震や30年の西日本豪雨でも被災地支援に携わった経験があり、「落ち着いて任務にあたり、しっかりと現地のニーズをくみ取りたい」と述べた。
先遣隊は、現地の災害対策本部や避難所の運営、支援物資やボランティアの確保状況などを把握し、被災地のニーズに応じた支援にあたる方針。
和歌山県の仁坂吉伸知事は15日の定例会見で「県内の被害も早期復旧に取り組むが、関東や東北では大きな被害が出ている。何でもやるという気持ちで必要に応じて大部隊をどんどん出していく」としている。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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