政府が16日、台風19号の被害に対し令和元年度予算の予備費から約7億1000万円の支出を早々に決めたのは、台風15号被害に対する初動遅れを指摘された「教訓」がありそうだ。
安倍晋三首相は16日の参院予算委員会で「政権として何回か災害を経験してきたが、経験また反省も踏まえながら、先手先手で対応していかなければならない」と強調した。今後も被災地の状況に応じて追加の予備費を段階的に支出していく考えを示した。
政府は平成30年の西日本豪雨で、被災直後に緊急支援として約20億円を支出し、その後段階的に復旧・復興や被災者の生活支援のために予備費を支出した。こうした「経験」が首相の脳裏にあるようだ。
台風19号をめぐっては、首相は矢継ぎ早に対策を打ち出した。13日に関係閣僚会議を開いて「非常災害対策本部」の設置を決め、14日には「激甚災害」に指定する方針を表明。15日には令和元年度補正予算案の編成を検討していると明らかにした。
一方で、台風15号をめぐっては、千葉県内で大規模停電が起きたにもかかわらず、関係閣僚会議を開かなかったことなどを野党が批判した。首相は初動の遅れを否定したが、自民党内からも「危機管理に定評がある安倍政権としては珍しい」との声も漏れた。
首相は16日、首相官邸で開いた非常災害対策本部会議で「引き続き復旧復興の手を緩めることなく、被災者のために全力を尽くしてほしい」と指示した。(手塚崇仁)
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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