台風19号 犠牲の81歳男性「農業詳しくやさしい人」 千曲川決壊(産経新聞)

 台風19号の大雨で千曲(ちくま)川が氾濫し、広い範囲で住宅が水に漬かった長野市。堤防が決壊した穂保(ほやす)地区に近い赤沼地区にも甚大な被害をもたらし、西沢孝さん(81)が犠牲となった。「何とか逃げられなかったのだろうか」。交流のあった地元の住民らは悲しみに暮れている。

 住民らによると、西沢さんは妻と2人暮らし。台風19号が列島を通過し、千曲川が決壊した12日夜から13日未明にかけて、周辺では避難する住民もいたが、自宅にとどまっていたとみられる。

 元農協職員で、地元で農業指導などにも携わっていたという西沢さん。赤沼地区で育った徳永晴久さん(46)は、かつて西沢さんの指導を受けた一人だ。自宅の庭にブドウの木を植えた際に手入れの仕方などを丁寧に教えてもらったことを覚えている。

 職人かたぎで、ぶっきらぼうな指導者も少なくない中で、西沢さんのやさしさは際立っていた。「まさか地元の人が亡くなるなんて…」。徳永さんは悲しみに暮れる。

 千曲川の氾濫では、自宅にとどまり続け、浸水で行き場を失った住民も目立ったが、多くは上階に避難するなどして無事に救出された。「明るい人だった。何とか早めに逃げてほしかった」。近くに住む、農家の男性(79)も声を詰まらせた。(松崎翼)

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Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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