台風19号で複数の犠牲者・行方不明者が出た宮城県丸森町では、18日夜から19日にかけて断続的に雨が降り注いだ。降雨による二次災害を考慮し、自衛隊は19日午前に予定していた行方不明者の捜索を中止、午後から再開した。「被害が拡大するのでは」「油断できない」。復旧への道筋が見通せない無情の雨に、住民は不安を募らせた。(塔野岡剛)
現在も約260人の住民が避難している丸森町では、降雨による二次災害に備え、18日から防災無線や防災メールなどで二次災害への警戒を呼びかけるとともに、新たな避難所を町内3カ所に設置。この日は職員が外出する人に対し、行き先を確認するなどして警戒を呼びかける姿も見られた。
また、羽出庭(はでにわ)、五福谷(ごふくや)の両地区で行われている自衛隊などによる行方不明者の捜索はこの日、安全面を考慮して中止に。さらに、この日予定していたボランティアの受け付けも20日に延期された。
阿武隈川の支流・新川近くの飯泉地区で自宅の片付け作業をしていた60代の女性はこの日、浸水した車3台のうち1台の運び出しを終えた。その表情には、疲労の色がにじんだ。
女性は「水に漬かった家具などはすべて処分できたので、当分は家の中に入り込んだ土砂をかき出す作業で大変。見通しはまだ考えられない」と肩を落とし、「少しの雨でも被害が拡大するのではないかという不安もある。決壊した堤防が早く復旧してくれれば」と切望した。
同町役場近くの自宅で、土砂のかき出しをしていた50代の女性は「堤防の決壊部分への影響が心配。今後も雨が降ることがあると思うので、油断できない状況が続く」と表情をこわばらせながらも、懸命に作業を続けた。
また、避難所となっている丸森小学校に五福谷地区から避難している50代の女性は「雨が降ったことで道路の状態が悪くなっており、車を取りに行くのをあきらめた」と話し、「自宅の裏が山なので、この雨で土砂崩れなどの二次災害が起こらないか心配だ」とうつむいた。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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