栃木県栃木市の中心部を流れる巴波(うずま)川の遊覧船が今月、約3カ月ぶりに運航を再開した。昨年秋の台風19号被害や新型コロナウイルスと度重なる休止にも負けず、運営するNPO法人「蔵の街遊覧船」が再開にこぎ着けた。船頭マネージャーの中村明雄さん(62)は「運休期間は長かった。第1便を出すことができて本当にうれしい」と話した。
“蔵の街”として知られる同市の観光を担ってきた名物は、この半年余り苦難の連続だった。昨年10月には台風19号で被災。川に大量の土砂が堆積したこともあり約2カ月間運休した。一時再開したものの、また運休し、今年2月に改めて再開した。
東京五輪の聖火リレールートに選ばれるなど光明が見えた直後、今度はコロナ禍の拡大。予約のキャンセルが相次ぎ、遊覧船は再度の運休を余儀なくされた。全国に存在をアピールする絶好の機会だった聖火リレーも白紙だ。年間4万人が訪れる遊覧船だが、昨秋の行楽シーズン、今年のゴールデンウイークを棒に振り、観光客は半減しているという。
6月1日の再開日、中村さんは「運航していることを知って、徐々に客足が戻ってくれれば。われわれも初心に帰って、お客さまに喜んでいただけるよう頑張りたい」と気持ちを新たにしていた。
当面は運航回数を制限。乗客の定員は通常22人だが半数以下の10人程度にし、マスク着用で間隔を取って座ってもらう。船頭もマスク着用で、名物の船頭唄は音源を流して対応する。
問い合わせは「蔵の街遊覧船」(0282・23・2003)。(松沢真美)
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