気象庁は2日、小笠原近海で1日夜に発生した台風10号について、6~7日に鹿児島・奄美から西日本にかけて過去最強クラスの勢力で接近、上陸する可能性があると発表した。広範囲で甚大な影響が出る恐れがあるとして、最大級の警戒を呼びかけている。
2日午後の予想では、台風10号は6日午後3時時点で九州の南に達し、台風の勢力を示す中心気圧は930ヘクトパスカル、中心付近の最大風速が50メートルになるとみられる。記録がある1951年以降、930ヘクトパスカル以下で上陸した台風は、59年に高潮などで死者・行方不明者5千人以上が出た伊勢湾台風など過去に3例だけという。
中心気圧930ヘクトパスカル以下、最大風速50メートル以上で近づくと予想されると、気象庁は台風の特別警報を発表する。これまでに経験したことのないような重大な危険が差し迫った状況とされる。台風の特別警報は沖縄以外で発表されたことはないが、台風10号は発表基準に達する勢力となる予想だ。
気象庁予報課の杉本悟史・主任予報官は取材に、昨年9月に千葉県などが記録的な強風に見舞われた台風15号を挙げ、「風で言えば、その時より強いと思ってもらうとイメージがわくと思う」と話した。台風が接近する地域では、記録的な大雨や暴風、高波、高潮となる恐れがあり、週末の前に台風への備えを終えておくよう呼びかけた。
また、九州の西の海域を北上する台風9号は3日朝には朝鮮半島付近に達する見込み。総務省消防庁によると、2日午後2時時点で、沖縄県内で8人が軽傷、住宅5棟の一部破損が確認されている。JR九州は一部路線で運転を見合わせ、九州各地で空の便の欠航も相次いだ。(山岸玲)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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