台風15号は園芸産地、茨城県にも深い爪痕を残した。JA茨城旭村やJAなめがたしおさいではメロン、トマト、ホウレンソウなど多くの野菜が出荷不能になり、パイプハウスなど施設損壊などの被害が発生。全容はまだ把握できていないが、JAは懸命に被害確認を進めている。
県南東部の鹿行地域のJAなめがたしおさいでは、ピーマンのハウスが倒壊するなど多くの被害が発生。定植期のイチゴはクリスマス直前の出荷に間に合わない恐れがある他、トマトにも被害が出ている。同JA営農経済部の金田富夫部長は「被害を受けた農家を直接回って声を拾い、サポートしていく」と話す。
JA茨城旭村では、ハウスの損壊などの被害が発生し、メロンやミニトマト、ホウレンソウなど多くの野菜が出荷不能となった。JAの皆藤茂次郎組合長は「今までにない被害の大きさだ。地域農業が継続できるよう全力で取り組む。JAとしてできることを最大限やっていきたい」とし、復旧作業を急ぐ考えだ。
JA管内の鉾田市造谷地区でメロン「アールス」を1・7ヘクタール栽培する鉾田一博さん(63)のハウスは、暴風で2回転もねじれた。30数棟あるハウスのうち4棟の被害が大きく、2棟が全壊、もう2棟が半壊し、出荷できない状況だ。この他、複数のハウスが一部破損した。鉾田さんは「台風の翌日、農地を見た際は落ち込むというより頭が真っ白になった。期待していたハウスだったのに」と落胆する。
全壊、半壊したハウスは専門業者でないと撤去が難しい。被害農家が多いため解体業者を確保する見通しが立っていない上、解体費用も重い負担となる。
今後、メロンの定植のために11月にはハウスのビニールを張り替える。「10月中にハウスの撤去と建て替えが済んでいないと(来年の収穫が)厳しいかもしれない」と鉾田さんは不安を募らせる。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース