大型の台風17号は22日夜、暴風域を伴って九州北部に最も接近した。九州全域を風速25メートル以上の暴風域や同15メートル以上の強風域に巻き込み、各地で非常に強い風や大雨に見舞われた。宮崎県延岡市では竜巻とみられる突風が発生、JR延岡駅構内にある高さ約30メートルの鉄塔が倒れたほか、車が横転するなどし男女2人がけがをした。北九州市では風にあおられ転倒した60代女性が軽傷。長崎県雲仙市でも女性(88)が飛来物でけがをした。九州が強風域を抜けるのは23日昼前ごろの見通し。福岡管区気象台は暴風や低い土地の浸水などに警戒を呼び掛けている。
各地の最大瞬間風速(22日午後7時時点)は長崎市39・1メートル、鹿児島市29・4メートル、佐賀市25・8メートルなど。
台風の接近で暖かく湿った空気が流れ込み、対馬市では50年に一度の記録的な大雨が降ったとみられる。22日午後7時までの24時間雨量は、熊本県湯前町299・5ミリ、長崎県対馬市231・5ミリ、大分県臼杵市110・5ミリなど。降り始めからの総雨量が400ミリを超えた地域もある。
22日は商業施設や公共施設の一部が早めに閉まり、中止になったイベントも。交通も乱れJR九州は22日午後から、博多-小倉・門司港間、博多-長崎間、宮崎-鹿児島中央間などの特急列車を順次運休。在来線も一部区間で運転を見合わせた。福岡空港発着の空の便の欠航や、高速バスの運休も相次いだ。一部地域で停電も発生した。
台風17号は22日夜に対馬海峡を通過後、日本海へ進む。23日までの陸上の予想最大風速(最大瞬間風速)は福岡、佐賀、大分両県で20メートル(35メートル)、長崎県で20メートル(30メートル)。23日午後6時までの24時間予想雨量は長崎県180ミリ▽大分、熊本両県150ミリ▽佐賀県120ミリ▽福岡県80ミリ。(吉田真紀、山下航)
西日本新聞社
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