大型で猛烈な台風19号はあまり勢力を落とさずに12日(土)午後に東海や関東に上陸の恐れ。大荒れの時間が長く、めったにない大雨や暴風になる恐れがあります。
台風19号の特徴
気象庁によりますと、台風19号は10日正午現在も大型で猛烈な勢力を維持しています。このあともあまり勢力を落とさずに、非常に強い勢力で12日(土)午後から東海や関東に上陸の恐れがあります。
今回の台風の特徴は台風を取り巻く活発な雨雲が大きいことです。このため、台風本体の活発な雨雲が長い時間かかり続け、半日以上、強い雨が降り続ける恐れがあります。台風の接近前から秋雨前線が本州付近に延びるため、台風の上陸前から雨が降り、さらに雨量が多くなる恐れがあります。また、暴風域が大きいのも特徴です。10日正午、現在の台風の暴風域は240キロと大きくなっています。このため、台風が接近、上陸すると、半日以上と長い間、暴風が吹き荒れる恐れもあります。
先月、首都圏に大きな被害を与えた台風15号は比較的コンパクトで短い時間に記録的な暴風が吹き荒れましたが、今回の台風19号は長い時間、大雨や暴風に警戒が必要になります。
めったにない大雨や暴風の恐れ
上の図は9日午後9時から13日午後9時までの地域ごとの降水量の予想です(9日午後9時の計算)。最も雨量が多くなる場合の予想です。四国から東北にかけて広く300ミリを超すような大雨が予想され、首都圏でも記録的な大雨となる恐れがあります。関東や東北の山沿いや紀伊半島などでは500ミリ以上の大雨が予想されている地域もあります。平年10月ひと月の雨量を超えるような雨が広く降る恐れがあるのです。
これまでに東京都心の日降水量が最も多かったのが1958年9月26日の371.9ミリです。次いで1938年6月29日の278.3ミリで、日降水量が300ミリを超すような雨は東京都心では過去140年あまりで1度しかありません。
また、「平成27 年9月関東・東北豪雨」では総降水量が栃木県日光市今市で 647.5 ミリに達し、記録的な大雨になりました。鬼怒川が氾濫し、茨城県で大規模な浸水害が発生しました。川の上流で大量に降った雨が下流に流れ、下流域で災害をもたらした事例もあります。
台風が接近・上陸すると予想される12日午後から13日午前中にかけては暴風も吹き荒れる予想です。東海から東北にかけて台風15号に匹敵するような記録的な暴風が吹く恐れもあります。この期間は大雨に加えて、暴風も吹き荒れるため、外出は危険です。夜間と大荒れのピークが重なるため、自治体から出される避難情報に注意し、明るいうちに早めの避難を心がけて下さい。停電に備えて、懐中電灯や非常食、飲料水を準備しておきましょう。スマートフォンなどもあらかじめ充電しておくようにして下さい。
日本気象協会 本社 吉田 友海
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