9、10号と続けて台風が接近した九州では、収穫を控えた果実の落果被害が相次いだ。佐賀県伊万里市では、特産の梨が被害に遭った。田中信浩さん(60)の園地では、収穫適期がまだ先の晩生種「新高」「愛宕」が10号で落果。9号の被害も合わせると、晩生種の2割ほどが出荷困難な状況だ。 田中さんは7日午前3時ごろ、強い風の音で目が覚め、風が収まってから様子を見に行き落果を確認した。ただ、出荷終盤の「豊水」などは前日までにほぼ取り終えていた他、実の一部をロープで枝に固定していたため「想定より被害は少なく済んだ」という。園地がある同市南波多地区では、他の農家も被害を受けた。田中さんは「落果を見ると農家は気落ちしてしまう。高齢の人も多く、気持ちを保てるか心配だ」と明かす。 市は9号通過後に被害調査を進めていたが、10号接近で「被害件数はさらに増える」(農業振興課)とみる。8日現在の9号関連被害は農作物が66件で、うちハウスの支柱損壊とビニールの破損が33件。被害額はハウス関連だけで538万円に上る。畜舎の屋根の破損などが15件、農機などの被害も4件あった。10号での被害は調査中で、JA伊万里も被害状況を調べている。
台風10号被害 農相 支援策を検討
江藤拓農相は8日の閣議後会見で、台風10号による農業被害の発生を受け「被害から立ち上がるための十分な対策を立てるよう、検討を進めていきたい」と表明。詳細な被害状況や被害額については、二次災害の可能性もあり、現時点では把握しきれていないと説明した。 農相は台風10号によって、九州・沖縄地方でハウスの損壊や水稲・サトウキビの倒伏、果樹の落果、畜舎の損壊といった被害が発生していると明らかにした。支援内容については、これまでの災害で講じた対策を踏まえて検討する考えも示した。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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