【ライブ動画】吉本興業の岡本昭彦社長が会見=惠原弘太郎、瀬戸口翼撮影
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吉本興業所属の芸人らが振り込め詐欺グループの宴会に出席して金銭を受け取るなどした「闇営業」問題を巡り、岡本昭彦社長が22日、都内で会見を開いた。一連の問題で、吉本側による会見が開かれるのは初めて。
会見は午後2時に都内で始まり、詰めかけた報道陣を前に吉本の執行役員が登場。深々と頭を下げた後、今回の一連の問題について時系列を追って説明した。
岡本昭彦社長は会見の冒頭で、契約解消した宮迫博之さんと謹慎中の田村亮さんについて、「非常につらい思いをさせてしまい、本当に申し訳なく思っています。つきましては処分の撤回を行いまして、彼らがミーティングの席に立っていただけることがあるなら、我々としては全力で改めてミーティングをさせていただき、いつの日か戻ってきてもらえるなら全力でサポートしていく」と語った。
自身については、「社長としての責任を取り、50%の減俸を1年間を続けることとします。大崎(洋会長)からも同様の申し出があり、同様に50%の減俸を1年間続けることとします」と語った。
宮迫さん、田村さんとのやりとりで岡本社長が「テープは取ってないだろうな」と発言したことについての質問に岡本社長は「『テープをとってんちゃうの?』っていうのは、僕的には、ミーティングに参加して、なかなか進んでなかったので、しゃべりづらいのではないかと思い、僕一人と彼ら4人で向き合ったときに、一つは冗談で……」とした。
宮迫さんは会見で岡本社長から「会見したら連帯責任で全員クビだ」と言われたと話している。
この発言について岡本社長は「4人とスタッフの話を聞いていたが、反社会的勢力の方からお金を取られた被害者の方がおられるということが、そのやりとりを見てて、僕自身が感じられなかったので、それで1回(スタッフ)4人に出てもらって、さきほどの僕の駄目なとこなんで、和ませよう半分、『テープとってんちゃうん』というところから、『いい加減にしようよ』という話をしていくなかで、あまりにも、被害者への方の思いが伝わってこなかったので、家族というか、身内というか『ええかげんにせえ、そんなに個人バラバラで言うんやったら、勝手にせえ』と。『会見するんやったら、全員クビや』って言ったんですけど、僕としては身内感覚なことだが、相手には伝わらなかった、まったくもって僕の反省しなければならないことだ」と説明した。
圧力と受け止められたのではという質問には、「そのやりとりがものすごく悲しいというか、情けないというか。父親が息子に言う『勘当や』という、『ええかげんにせえ』というもの。相手に伝わっていない、それは僕が思っているかれらとの距離感、彼らが思う距離感、ギャップがあった」と語った。
パワハラではないかとの指摘には、「自分はそんなつもりはなかったが、相手がそう感じたのであればそうだと思う」と語った。
田村さんは会見で吉本側から「在京5社、在阪5社は株主だから、大丈夫」などと言われ、ちゃんと自分たちの気持ちが伝えられるのか不安になったとも話していた。
この日の会見に同席した吉本側の弁護士は「(田村)亮さんから、『会見を生中継したい』という話があった。吉本の顧問弁護士から先方(田村さん側)の弁護士に、吉本は各局が株主であるので、生中継するにしても、時間帯など配慮が必要だということを説明した」と語った。
また、「全員クビ」などと発言した点がパワハラだと思うかとの質問には「そんなつもりはないが、結果として相手がそう思うのであれば、そうです」と答えた。
契約解消されたカラテカの入江慎也さんの処分について岡本社長は金銭を受け取り、芸人と反社会的勢力との仲介をしている点を踏まえ、「今のところ処分を変えるつもりはないです」と答えた。
会見は5時間を超え、質疑がかみ合わない場面も目立った。
同社を巡っては、「雨上がり決死隊」の宮迫さんと「ロンドンブーツ1号2号」の田村亮さんが20日に吉本を通さず自主的に開いた謝罪会見で、吉本側への不信感を示している。宮迫さんが、吉本側に会見を開くよう提案した際に「静観する」と言われたことがあると告白。また、岡本社長が、会見を開きたいと訴えた田村さんに「やってもええけど、そしたら全員連帯責任、クビにする。俺にはお前ら全員クビにする力があるんだ」と迫った事実があると説明した。他の芸人らからも吉本側への不満の声が上がっており、岡本社長の説明が注目される。
吉本興業は、2014年に振り込め詐欺グループの宴会に参加し金銭を受け取っていたとして、芸人と詐欺グループを仲介をしたカラテカ入江慎也さんとの契約を解消、芸人11人を当面の謹慎処分とした。また、暴力団幹部らのパーティーで営業をしたとして、スリムクラブとすでに当面の間の謹慎処分を受けていた2700の計4人を無期限謹慎処分にしている。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル