吉本芸人100万円ツイートはステマ?インフルエンサー会社を取材「税金が使われた事とステマ問題は切り離すべき」(AbemaTIMES)

 吉本興業所属で京都出身の漫才コンビ・ミキによる京都市の施策をPRしたツイートが、市の広告だったことがわかった。

【映像】ミキのツイートに京都市民の見解は

 京都市は去年、京都国際映画祭などのPR目的で吉本興業と業務委託契約を結び、ツイート1回につき50万円、合わせて100万円を支払っていた。しかし、そのツイートには「プロモーション」「PR」といった記載がなかったことから、ステルスマーケティングを指摘する声が浮上。京都市は「『京都市盛り上げ隊』というハッシュタグもあるし、京都市の公式ホームページへのリンクも掲載されている。いわゆるステルスマーケティングの問題点があると思うが、そういったことには該当しないので特に問題がない」との見解を示している。

 ステマの境界線は、曖昧な部分が多くあるのが現状だ。そんな中、YouTube動画やSNS投稿を用いたインフルエンサーマーケティングを数多く手掛けているのが、人気YouTuberが数多く所属するプロダクション「UUUM」。ステマにならない対策はどのように取っているのか、石橋尚也氏に現状を聞いた。

 「ステマに当たるか当たらないかの定義として、『関係性の明示』というものがある。例えば、マーケティング主体でいうと企業名、宣伝したい商品の企業名やブランド名を書かないといけない。もう1つが『便益の明示』で、昨今だと『スポンサード・タイアップでやっています』ということを書いていれば、情報受信者に対して企業の案件だということは伝わる。それらをやっていればステルスにはなっていないということで、ステマにならない」

 石橋氏によると、まだまだステマに抵触する例が散見される状況だという。そこで、インフルエンサーや企業、消費者の信頼関係を築くために業界関係者が設定したのがガイドラインだ。

 「WOMJ(Word Of Mouth=口コミ マーケティング協議会)」のガイドラインでは、金銭の提供を受けてSNSで情報を発信する際のルールを定めている。プロモーションタグや提供タグなどでPRであることを明示するというものだ。UUUMもいち早く独自のガイドラインを設定し、タイアップ動画の冒頭に提供表示をするなどステマにならないよう運用している。

 京都市のPRを巡るツイート問題。100万円の税金が使われたことに注目が集まっているが、石橋氏は「税金をどう使うかという話に関しては、インフルエンサーだろうとそうでなかろうとプロモーションに使うということになるので、それは別の問題。チラシや雑誌だったかもしれないし、他の手法だったかもしれない。別の問題として切り離したほうがいい」と指摘した。

 これにBuzzFeed Japan記者の神庭亮介氏は「100万円が高いか安いかは京都の納税者が判断すればいいことで、ステマの話は切り分けて考えないといけない」と賛同した上で、「一番重要なのはPR表記がなかったということ。ミキの『京都最高』は、心からの郷土愛で言っているのか、お金を貰っているから言っているのかで、受け手の温度感も変わってくる。そこをきちんと明示しておかないと、ステマと言われてしまう。京都市の『格安でできた』、吉本の『金額に見合うもの』という回答はズレていて、金額の問題ではない」と苦言を呈する。


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Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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