大阪府の吉村洋文知事(44)は14日、特措法に基づく休業要請などを段階的解除する独自基準「大阪モデル」をもとに、解除に踏み切ると表明した。
解除条件となる大阪モデルの数値目標は14日まで1週間連続でクリア。同日夜、府庁で記者会見を開き、発表した。政府の緊急事態宣言が継続される中、批判も覚悟の上での決断となった。
記者会見の冒頭で吉村知事は「これがゴールではなく、スタートの第1歩を踏み出したい。これまでは防戦一方だったが、コロナと共生していく第2のステージに入った」と宣言した。解除により「ウイルスは増える」と感染リスクが高まることを明言し、「そのときは、『あのとき、吉村が解除したからだ』。それらの批判は受けようと思う」と決意を示した。一方で、経済的なリスクにも言及した。「ゼロリスクを目指すのなら自粛生活をやり続けるのが1番だが、社会経済は完全に死んでしまう」。
解除は16日午前0時から適用される。これまでクラスター(感染者集団)が発生したライブハウス、スポーツクラブ、夜の接客を伴うナイトクラブなどは解除対象外とした。一方で劇場、映画館、ホテル・旅館、商業施設の幅広い業種が解除対象となった。飲食店は午後8時までとしている営業時間を午後10時まで延長した。吉村知事が「コロナとの共生」を掲げ、経済の再開に向けて踏み出した。【松浦隆司】
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