俳優の吉永小百合さんと音楽家の坂本龍一さんによる沖縄での初のチャリティーコンサートが5日、沖縄県宜野湾市の沖縄コンベンションセンターであった。戦後75年を迎える今年、詩の朗読や音楽で平和の尊さを伝え、満員の観客が聴き入った。
タイトルは「平和のために~海とぅ詩とぅ音楽とぅ」。1部で坂本さんが「沖縄は18年ぶり。演奏は初めて。長年の夢がかないました」とあいさつ。未発表曲を含めピアノソロ7曲を披露した。曲間には、太平洋戦争後の沖縄で米国統治への抵抗運動を行った政治家・瀬長亀次郎に触れ「見方によっては亀次郎の時代と変わってない気もして嫌ですね」と語った。
2部では吉永さんが登場。各地で坂本さんとコンサートをしてきたことを紹介し「いつか沖縄で開けたらとずっと願っておりました」。坂本さんの演奏をバックに、沖縄に関する詩や、毎年6月23日に沖縄戦の戦没者を悼む「慰霊の日」の式典で少年少女が読む平和の詩4編を朗読した。
コンサートは、ひめゆり平和祈念資料館や地元紙・沖縄タイムス社などでつくる実行委員会が主催した。各団体が数年前から吉永さんに朗読会や来沖の依頼をしていたところ、吉永さん側から「皆さんが一緒になって実行委になっていただければ」と提案があり、吉永さんが坂本さんを誘って実現につながったという。収益は全額、県内の平和活動団体に寄付される。
訪れた浦添(うらそえ)市の栄養士の女性(70)は「吉永さんのようなすごいスターが、本土との壁を乗り越えて沖縄に寄り添っていただき、力強く感じた。感動的だった」と話した。(伊藤和行、伊東聖)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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