神谷裕司
国特別史跡の吉野ケ里遺跡(佐賀県吉野ケ里町、神埼市)で見つかった石棺墓の特別公開が24、25の両日に行われ、家族連れや考古学ファンなど計約2600人が訪れた。
県によると、石棺墓は邪馬台国の時代と重なる弥生後期のもの。石棺を覆っていた大小4枚の石蓋(いしぶた)のうち、3枚の大きな石蓋には「×」や「キ」などの線刻文様が無数に施されていた。石蓋や石棺の壁石、棺の底からは赤色顔料が確認された。県は9月から周辺の調査を再開する予定。
特別公開では、県の担当者が石棺墓の横に立ち、見学者の質問に答えた。石棺墓から外された石蓋は、近くの別の場所に展示された。
鳥栖市の後川(うしろかわ)和也さん(37)は、妻の絢子(あやこ)さん(33)、長男の晴哉ちゃん(1)と家族3人で24日に訪れた。大学で考古学を勉強したという和也さんは「赤い色がきれいに残っており、驚きました。線刻文様も不思議ですね。何らかのデザインとして刻んだのかな」と話していた。
福岡市の村井教行(のりゆき)さん(69)は、妻の豊子さん(67)と一緒に見学した。「石棺は小さめなので、女性が葬られたのかも。卑弥呼を思い浮かべました。どのような人物の墓なのか、今後の調査が楽しみです」と期待していた。(神谷裕司)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル