牛丼チェーン吉野家の常務取締役を解任された伊東正明氏(49)の発言の波紋が広がっている。吉野家は商品発表会の中止に追い込まれ、株価も下落した。今回の問題はSNSを中心に拡散され批判された。一人の言動が経営を揺るがす事態につながりやすい状況を示す。
吉野家は不適切発言の「火消し」に追われた。
19日午前に都内で予定していた新商品の発表会の中止を、急きょ前日に決めた。「親子丼」を約10年ぶりに復活させるもので、広告塔に起用するタレントの藤田ニコルさんを呼ぶことになっていた。「一連の事象に鑑みて自粛を決めた」(広報)という。親子丼は予定通り19日に全国で販売を始めたが、広報発表は控えている。並盛り437円、大盛り624円(いずれも税込み、店内飲食時)。
吉野家は牛肉など原材料の値上がりを受け、昨年10月に約7年ぶりに「牛丼」を値上げしていた。商品力を高めようとしており、親子丼の発売はその戦略の一環だった。企画本部長としてマーケティングを指揮し、親子丼を売り込むはずの伊東氏が、自らの発言で戦略を損なうことになった。
東京株式市場ではこの日、吉野家の親会社の吉野家ホールディングス(HD)の株が売られた。19日の終値は前日より40円(1・65%)安い2373円で2日連続の下落となった。
伊東氏はマーケティング分野…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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