同志社大のアメリカンフットボール部員4人が準強制性交等の疑いで逮捕された事件を受け、大学が運動部員を対象に実施してきた研修を見直す方針であることが分かった。これまでは学生主体で研修内容を決めていたが、今後は大学事務局がかじをとって実施する。再発は防げるか。
同大スポーツ支援課によると、この研修は法令順守の重要性について学ぶ「コンプライアンス研修」。毎年夏に体育会所属の運動部員を対象に実施してきた。今回の事件で逮捕された4年生部員4人も、複数回受けてきたという。
研修が始まったきっかけは2007年の事件。ラグビー部員3人が女性を車で連れ去ろうとした疑いで逮捕され、その後、執行猶予付きの有罪判決を受けた。再発を防ぐため、研修が導入された。
当初は大学事務局が研修の運営を担い、学生の主体性を重んじるためとして、10年ごろから体育会の学生側に委ねられた。
体育会にはアメフト部を含め50の部があり、今年8月現在で約2600人の運動部員がいる。この中から選ばれた約30人が研修の内容を決めてきたという。
学生主体になってからの研修テーマは、飲酒や薬物の危険性、SNSの適切な使い方が多かったという。今年は8月に開催。16年に同大の学生(当時19)が合宿中に飲酒して死亡した事故などを題材に、運動部員らがグループで議論した。
一方、07年の事件や性犯罪は、学生主体になって以降、テーマになってこなかったという。
大学の担当者は「性犯罪をしないのは当然のモラルだと思った。逮捕された学生に自己中心的な特権意識があったと思う。大学側の対応が不十分だった」と話した。
同大は今後、大学事務局が主体となり、弁護士など犯罪に詳しい外部講師の手も借りて、運動部員を指導する考えだ。これまで同大の学生が関わった事件を学生らに伝える方針。また、入学したばかりの運動部員を対象とした研修も検討していくという。
担当者は「今回の件を反省して、学生たちには外からどう見られているかを認識してほしい」と話した。
4人が8日に逮捕されてから22日で2週間。捜査関係者によると、一部の容疑者は京都府警の取り調べに「後悔している」と話しているという。「女性の合意があると思った」と話す者もいるという。
アメフト部は4人の逮捕の翌日に無期限の活動停止と今季リーグ戦の辞退を発表。関西学生アメリカンフットボール連盟は辞退を承認し、同大の2部への降格が決まっている。
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大学の運動部員が関与した性犯罪は、過去にも起きてきた。どんな対策が求められるのか。
筑波大大学院の菊幸一教授(…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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