名古屋刑務所(愛知県みよし市)の刑務官が受刑者に暴行などを繰り返していた問題で、同刑務所は28日、21~37歳の男性刑務官13人を特別公務員暴行陵虐などの容疑で名古屋地検に書類送検した。法務省が日発表した。
法務省はこのうち10人を2~6カ月の停職、3人を減給の懲戒処分とした。所長、前所長、前処遇部長らについては「職員に対する指導監督を欠いた」として厳重注意処分とした。
同省のこれまでの調査によると、名古屋刑務所では22人の刑務官が2021年11月~22年夏に、40~60代の男性受刑者3人に計約400件の不適切な言動を繰り返していた。
このうち暴力を伴う行為は100件ほど確認され、顔を手でたたく▽胸ぐらをつかんで引き寄せる▽コロナ対策のアルコールスプレーを顔に噴射する▽太ももを蹴る――などがあった。
22人の刑務官は20~30代で、採用3年未満が大半だった。暴行などをした理由については「受刑者が指示に従わなかったり、要求を繰り返したりして腹が立った」と話したという。
同刑務所は、22人のうち刑務官13人による暴行は刑事処分が相当な悪質性があったと判断。刑務所の看守らが職務にあたって暴行した場合に適用される特別公務員暴行陵虐と同致傷の容疑で書類送検した。うち3人は28日付で辞職したという。
一連の問題は、昨年8月に60代の受刑者が左目付近にけがをしているのを職員が見つけて発覚し、名古屋矯正管区の調査で他のケースも判明した。斎藤健法相が昨年12月に会見で公表した。
名古屋刑務所では01年、副看守長らが受刑者の肛門(こうもん)部に消防用ホースで放水して死亡させる事件が発生した。02年には、別の副看守長らが受刑者2人の腹部を革手錠つきベルトで締め付けるなどして死傷させた。副看守長らは特別公務員暴行陵虐致死罪などで逮捕・起訴され、有罪判決を受けた。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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