寺沢知海
名古屋城天守の復元をテーマにした名古屋市主催の市民討論会で差別発言があった問題で、市は30日、大学教授や弁護士らが参加する検証委員会の初会合を開いた。河村たかし市長ら関係者へのヒアリング調査などを通じ、市側が差別発言を制止できなかった原因を究明することで一致した。
6月にあった市民討論会では、木造復元が計画されている天守にエレベーター設置を求めた障害者の男性に対し、他の参加者から「ずうずうしい」などの差別発言が相次いだ。会場には河村市長をはじめ、複数の市幹部がいたが、誰も発言を止めたり、注意したりせず、その対応が市議会などで批判された。
この日の検証委は一部非公開で実施。会合後、取材に応じた検証委座長の杉野みどり副市長によると、委員からは討論会開催までの経緯や差部発言の前後の状況などを検証する必要があるとの意見が出たという。差別発言を制止できなかった原因を検証し、そこで明らかになった課題に応じた再発防止策を検証報告書にまとめる予定だ。
市は検証が終わるまで、名古屋城復元の計画策定を中断する方針を示しており、杉野副市長は「数カ月では終わらない」と述べた。(寺沢知海)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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