小島弘之 山田健悟 堀之内健史 浅倉拓也
石川県珠洲市の景勝地「見附島(みつけじま)」には、地震によって崩落したとみられる土砂が積もっていた。昨年6月に同市を襲った最大震度6弱の地震でも斜面の一部が崩落して話題になった。5日夕方、近くに住む男性(81)は見附島を見つめて「前回の地震よりも崩れ方がひどい」と話していた。
見附島に家族4人で来ていた埼玉県の40代の男性会社員は、石川県輪島市の棚田周辺を運転中に地震に遭った。「橋の上にいると思うほどの揺れだった」。その後、日本海側を通って珠洲市に向かったが、トンネルで岩が崩落していたり、交通規制がかかっていたりして、「やばい地震かもしれない」と感じたという。
見附島のそばのすし屋「幸ずし」では、昼の営業を終えた直後に揺れが襲った。店内には店主の脇田賢さん(53)と従業員2人、客が1人いた。
脇田さんによると、最近経験したどの揺れよりも大きな揺れで、「店が壊れるかも」と思い、すぐに全員で外に避難した。店に戻ると、100個を超える茶わんや焼酎瓶が床に落ちて割れていた。
店の客は観光客が中心。今年の大型連休はコロナ下での最近に比べ、客の入りはよかった。明日以降も営業を続けるつもりだが、「観光への影響が心配だ」という。
見附島を一望できるホテル「のとじ荘」は、この日は予約で満室。チェックインが増える前の時間帯の発生だったため宿泊客は少なく、施設に大きな被害はなかったが、営業を心配する電話はあった。松村京子支配人は「施設に大きな被害はなく、お客さまの受け入れに支障はないのでほっとしている。ただ、余震があるかと思うと怖い」と話した。(小島弘之、山田健悟、堀之内健史、浅倉拓也)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル