人口減と高齢化にあえぐ雪国の小さな商店街が、にぎわいを取り戻そうと祭りの復活を計画し始めた矢先、火災に見舞われた。存亡にも関わりかねない大きな危機に、商店主たちは手を携え、再生に向けて歩み出した。
水害乗り越え40年前に誕生
南本町商店街は、新潟県中部の内陸部に位置する魚沼市小出島にある。度重なる水害に苦しんできた別の地区の商店が河川改修に伴い集団で移転し、1981年、もともとの商店とともに30店ほどでアーケード街をつくった。
隣には新築されたばかりの旧小出町の町役場があった。そんな町の「へそ」にあたる中心部で、2000年ごろ「へそ市」が始まった。毎夏、通行止めにしたアーケード街に出店が並び、夜まで大勢の人でにぎわう祭りに育っていった。
04年の合併で町役場は魚沼市の小出庁舎に変わった。周辺で勤務する昼間の人口が減少していたところに、新型コロナが追い打ちをかけた。人気の食堂が閉店し、庁舎は解体され、高齢化が進んだ。へそ市も、18年を最後に休止を余儀なくされていた。
商店街協同組合の理事長を務める電器店経営の稲津厚さん(64)は、庁舎の跡地で26年春に開業予定の生涯学習センターに期待をかけた。図書館や公民館が入り、イベントのできる駐車場も備える。これをきっかけに「へそ市を復活させよう」と仲間うちで話し合っていた。
救出した楽器で同級生が応援ソング
火災が起きたのはその矢先だった。今年9月26日未明、近くの住宅から出た火は商店街に広がり、5店を含む13棟が全半焼するなどした。
「これからというときに………
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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