福岡市・天神の人気中華料理店「新生飯店」は消費税が増税された1日、定番メニューのちゃんぽんや皿うどんを580円から620円に値上げした。同店の値上げは消費税導入の1989年以来。30年ぶりの値上げに踏み切った店に対し、常連客らは「まだまだ安いし気にならない」と温かい声を寄せている。
1958年創業。当初はコース料理やフカヒレなど高級料理もそろえていたが、70年代後半、ちゃんぽんや皿うどんなどを中心とする庶民派路線に転換。天神エリアの他の中華店と比べても、割安でボリューム感のある料理が人気を集めている。
消費税導入後、税率は97年に3%から5%に、2014年には8%へと上がったものの、同店は値上げを見送っていた。しかし、今回の8%から10%への増税で、原材料の仕入れ値や給水光熱費が高くなることを見据え、値上げを泣く泣く決断。店主の足立楽友さん(66)は「本当は避けたかったけど今回ばかりは厳しかった。お客さんに申し訳ない」と話している。
値上げ初日の昼、店内は天神で働く人たちで満席。足立さんや妻英子さん(61)は、客席に料理を届けるたびに「すみません」と恐縮。常連という50代の会社員男性は「大好きなやきめしは20円増しの650円に。まだまだ手頃だし、おいしいから気にならない」。隣でちゃんぽんを食べた50代の会社員男性は「庶民の味方。30年踏ん張ってくれただけでも感謝したい」。この日初めて来店したという40代の女性会社員2人組は「ボリューム満点の焼きそばが650円とは。ランチタイムの穴場を見つけた気分です」と話していた。(木村貴之)
西日本新聞社
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