南極大陸沿岸ラングホブデで5日間。強風で観測は遅れ、ヘリコプターも迎えに来られず、滞在は長引いたが、内心は「ラッキー」と思った。風呂に入れなくても、夜は風でテントがバタバタしてもかまわない。雑事を忘れ、大自然に浸れるのは格別だ。
でも、うかれ気分は封じて帰らなくては。昭和基地のみんなが建設や輸送、引き継ぎで走り回っている。短い夏に作業を終わらせるのに必死だ。
2020年1月13日、基地へ戻ると「ない」。気象棟が消えていた。1973年2月、14次隊の時に完成した建物で、アンテナを覆うカバーが帽子のようで印象的だった。輝くオーロラの下の姿は風情があり、前の越冬時は「よく撮影したな」と懐かしくなる。
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解体を指揮する壽松木(すず…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル