和歌山市内の紀の川にかかる「六十谷(むそた)水管橋」(上水道)が破損し、一部が落下した影響で、紀の川北部の地域では4日も断水など混乱が続いている。市はこの地域の約6万世帯(約13万8千人)で断水の恐れがあるとしている。
市は午前7時から北部地域の小学校などで、応急の給水所を設けた。午後8時まで、ペットボトルなどの容器を持参するよう呼びかけている。応急給水所が設けられた和歌山市中野の貴志南小学校には、午前7時の開始と同時に住民らが列を作った。市の職員らが、住民らのポリタンクややかんに水を入れ、手渡した。
近くに住む会社員の男性(65)の家では、前日の午後8時ごろから、蛇口をひねっても水が出なくなった。風呂などはすでに済ませていたものの、トイレは極力行かないようにしているという。この日は仕事を休み、家にあるだけのポリタンクを持って、顔も洗わず出てきた。「水管橋が復旧するまで、毎朝こうやって並ぶしかないのか……」とため息をついた。
スーパーやコンビニでは飲料水を買い求める人が集中し、売り切れたり、「1家族あたり2ケースまで」などと販売制限を設けたりする店が出ている。イオンリテールによると、和歌山市楠谷の「イオンスタイル和歌山」には、3日夜から飲料水のほか、食器にしいて水洗いを減らすためのラップなど、節水対策の商品が売れているという。和歌山市内で11店舗を運営する「オークワ」でも、市内全域で飲料水が買い求められているという。
市はこの日、北部地域の高校1校、中学校8校、小学校23校、幼稚園5園を臨時休業にした。
市企業局によると、水管橋は川の南側にある加納浄水場(和歌山市松島)と市北部をつなぐ。長さ546メートルで、直径90センチの水道管が2本通っている。3日午後3時45分ごろ、加納浄水場で異常を検知。午後4時10分ごろ、橋の中央部分の59メートルが落下しているのが確認された。原因はわかっておらず、復旧のめどはたっていない。
同局によると、1975年に建設。法定耐用年数は48年とされ、2023年に迎える予定だった。先月、目視での点検では異常はなかったという。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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