新型コロナウイルス感染拡大への大阪府の対応について、隣接する和歌山県の仁坂吉伸知事が県のホームページで懸念を示した。「知事からのメッセージ」の中で、大阪府で新型コロナ感染者の濃厚接触者への検査に手が回っていないなどと指摘。府内の保健医療行政の改善を訴えている。
和歌山県は10日付で「大阪が危ない。日本も危ない。」と題した、約5千字の知事メッセージを掲載し、冒頭部分で「大阪の感染はひどく、重症者も多い」「このままだと医療崩壊というところに来ています」とした。その後、県内の取り組みを紹介しつつ、新型コロナ対策には感染者の行動履歴の把握などを担う保健医療行政の機能強化が必要と訴えた。県内の感染者の濃厚接触者が大阪府在住だったため、府に連絡をしたが、府内で検査されていなかったことなどを挙げて、対応を疑問視した。
また、感染者の急増で重症病床を中心に医療体制が逼迫(ひっぱく)している大阪府から看護師の派遣要請を受け、和歌山からICUでの対応が可能な専門性の高い看護師2人を府に派遣したことや、府内の重篤な患者を県内のICUに準じる病床で受け入れた事例を紹介。「大阪の感染の爆発により、和歌山にも火の粉がどんどん飛んできまして、和歌山の保健医療当局も大忙し」「何度か気の付いたことを『差し出がましいようですが…』と断った上、アドバイスをしました。しかし、中々改善も出来ぬうちに今の爆発をよんでしまったのは、大変残念」などと記した。
仁坂知事は14日の会見で「大阪府内では感染者が多くなり、我々が感染を抑え込むためにしていること(対策)と同じことができていない。批判したわけではなく心配をしている」と述べた。県民に対する大阪府内への不要不急の外出自粛の要請については当初15日までの期限を29日までに延長した。
通勤や通学で大阪との往来が多…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル