和歌山県が誘致を進めるIR(カジノを含む統合型リゾート)をめぐり、県議会の本会議で採決が予定されている20日午前から、県議会周辺はあわただしかった。
19日のIR対策特別委員会では、国へのIR申請案が否決された。本会議の採決は、特別委の判断に拘束されない。しかし、これまでIR誘致に賛成してきた自民議員も反対に回ったこともあり、本会議の採決結果がどうなるか、先が見通せない状況になっていた。
午前9時ごろ、議場の傍聴券を求めて市民が集まり始めた。
市民や報道陣ら30人ほどが傍聴席から見守るなか、本会議は予定通り午前10時に開会。だが、数分も経たない間に、休会となった。
IR誘致を巡っては市民団体「カジノ誘致の是非を問う和歌山市民の会」が1月に誘致の是非を問う住民投票について、2万筆超の署名を集めて直接請求したが、市議会の反対で実現しなかった。
この日、開会時から議会にかけつけた市民団体事務局の山形由広さん(75)は「(4月28日期限の)国への申請間際になっても、資金計画が明確でなく、こうなることは当然の結果。知事の今回の計画はずさんで無謀だ」と話した。
同会の和歌山市の主婦、南本礼子さん(77)は「和歌山市も止められなかった。今回の県議会は正念場」と期待を寄せる。「大学生の孫がいる。(ギャンブル)依存症になってしまえば、人生を棒に振るので誘致には反対」と語った。
前日の特別委で反対にまわった自民議員は、20日の会派会合で、特別委でIR申請案が否決されたことを報告した。議員から大きな反応はなかったという。「自民党のなかでも賛成と反対の人がいる。みんなわかってたんじゃないですか」。さらに続けた。「僕らは30時間近く議論して問題点を理解している。反対するだけの説明責任を果たす自信もある」。本会議でも反対にまわる予定だ。
午前10時半前。IR特別委が急きょ開かれた。理由は、19日の特別委で県当局が虚偽の答弁をした疑いがあるとして、地方自治法100条に基づく調査特別委員会の設置を求められていたからだ。
藤山将材委員長によると、I…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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