着物とはなんだろう。古い? 難しい? 特別な日のためのもの?――。東京・新宿にある老舗着物仕立屋の4代目、キサブローさん(34)は、そんな概念を破る新たな着物の創作に挑んでいる。新進のデザイナーが目指すのは、和洋も、ジェンダーも、国境も超えた着物づくりだ。
Tシャツの上に、浴衣で仕立てたフード付きのコートを。シャツとジャケットには袴(はかま)を合わせて。足元は足袋だったり、シンプルな黒のスニーカーだったり。
なんて自由な!
撮影のためのスタジオで、カメラのシャッターに合わせ、軽快にジャンプを決める。ピンクと黒のグラデーションで染めた着物はポリエステル製。日常着のように、着こなしている。
「着物の世界を変える」
代表的な着物の生地である絹にこだわらない。ウールや、化学繊維など身近な素材を多用する。
色柄や形で、男女を分けたつくりにしない。「ジェンダーレス」な服作りには、だれもが心身共にリラックスできるものを、という思いを込めている。
背景には、自身のジェンダー観がある。
実家は新宿御苑近くの着物仕立…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル