今まさに旬を迎えたりんご。赤や黄色、緑色などさまざまなりんごが店頭を飾っています。甘味が強くてシャキッとした品種、みずみずしくて甘酸っぱい品種、アップルパイにするとおいしい品種など、それぞれに個性があって、好みのものを選ぶのはなかなか難しいかもしれません。
そこで、青森のりんご生産者団体、りんご産地市場などが運営するバーチャル大学「りんご大学」の太田裕介さんに伺いました。
品種により個性はさまざま
りんごは、日本だけで約2000種類あり、青森県内ではそのうち約50種類が栽培されているそうです。
「色や味、固さ、果汁の量もそれぞれに個性があるので、私たちは代表的な品種をわかりやすい“りんごチャート”にしています。このチャートは甘さと酸味のバランスを表していて、早生系ふじを基準にりんごをチャート化したものです。
たとえばよく出回っているサンふじは、甘味が強くて酸味も結構あります。また、最近人気の王林はサンふじと同様の甘味がありますが、サンふじほど酸味がない、つまり甘いりんごということになります」(太田さん)
チャートを見ると、もっとも甘味があってすっぱくないりんごは王林、逆にもっとも甘味が少なくてすっぱいのは紅玉になります。
好みが分かれるりんごの食感
「りんごは甘味と酸味だけではなく、食べた時の固さや果汁の多さにもそれぞれ個性があります。王林はやや固めの食感で、独特の芳香があり、とても果汁が多い品種です。生で食べると本当においしいです。逆にもっとも酸味の強い紅玉は果汁が少なめで、かなり固めの食感ですが、この特長から『この品種に勝るものがない』と言われるほど調理用、加工用に向いていて根強い需要があります」(太田さん)
生がおいしい、調理用に向いているなど、いろいろな品種を試してみて、お好みのものを選ぶといいですね。
同じ品種でも無袋と有袋では名前も味も変わる
「実はこのチャートにある“ふじ”と“サンふじ”は同じ種類です」という太田さんが付け加えます。
「りんごは袋をかける“有袋(ゆうたい)”とかけない“無袋(むたい)”での栽培があります。“ふじ”は有袋りんごで、“サンふじ”は無袋りんごです。一般に、有袋りんごは色づきが良くなり、貯蔵性が増します。一方、無袋りんごは太陽の光を多く浴びて育つため、甘味が増します。無袋りんごの名前には頭に“サン”が付くので、無袋りんごを選ぶなら“サン”がつくものにしてください」(太田さん)
さまざまな味の個性を持つりんご。「1日1個のりんごは医者を遠ざける」というイギリスのことわざがあるぐらい、高血圧などの予防に効果があるカリウムが多く含まれ、健康効果が高い果物だそうです。本格的な冬に向けて積極的に摂りましょう。
ウェザーニュース
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